Nissan 180SX 長期レポート #1

Moto/car長期リポートを執筆することになりました鷹倉です。よろしくお願いいたします。とはいっても担当するのは提供車ではなく、愛車だったりするのですが、少しでも興味のある方がいらっしゃったらお役に立てる事もあるかもしれません。

「同じ車も何年も乗る」
そんな願望を抱いた事があるだろうか?大抵それは手に入れた時の興奮から時間の経過とともに冷めてゆき、同時に古臭くなってゆくデザインやヘタリをみせる消耗品の数々とともに色褪せて新たな車体への興味へと移行してゆくものだろう。それでも長い年月の中で何人も乗り手が移り変わってゆくうちに、再度脚光を浴びる車となって世の中を賑わせてゆくものがある。私が今回レポートするのもここ数年になって世界で盛り上がりを見せているJDM(Japanese domestic market)の中の一台だ。

ここで基礎データを記載しておこう。今となっては平凡なスペックであり、見るべき所はないかもしれないが、MTトランスミッション、排気量1998ccとICターボ、軽量な車重、FR(後輪駆動)で新車価格250万(タイプX)を切った値付け、リタラクタブルヘッドライト、など、もう二度と出てこない条件が揃った若者の為の名車のひとつとも言えるだろう。

車名:180SX
メーカー:NISSAN
年式:1998年 後期型
エンジン:SR20DET
最高出力:205ps(151kW)/6000rpm
最大トルク:28.0kg・m(274.6N・m)/4000rpm

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後期型/初期型

◉ 歴 史
情報過多のネット時代につらつらと書いても仕方ないのだが、個人的なユーザー視点で注目すべきこの車の歴史を記してみたい。
シルビアの姉妹車といえばs110型3代目シルビアの派生モデル、ガゼールだろう。このガゼールはシルビアとともにモデルチェンジを繰り返し、ほとんどシルビアと見分けはつかないが、僅かにシルビアよりも高級志向にふられていた。
そのシルビア、ガゼールもS12型からリトラクタブルヘッドライトが採用され、爆発的なヒットとなったS13型シルビア発売に伴い、ガゼールは姿を消した。興味がおありの方は是非、探してみてほしいのだが、輸出仕様の240SXの日本版としてS13シルビアの姉妹車、180SXが発売されたのだが、どちらかというとガゼールの後継にあたるのが180SXのような気もしますよね。
姉妹車の定義は、同型番車種であることとするのなら、ガゼールの正常進化版としてリトラクタブルヘッドライトをS12から残したのではないかとすら思えてきませんか?ですが販売網が異なるので確かにガゼールのモデルチェンジ版ではありませんが、そうした歴史を辿ってみると面白い側面ではあります。

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◉ 成り立ちはデートカー

当時はこんなのスポーツカーじゃない!って意見も多かったですね。開発側も明確にシルビアや180SXをデートカーとして開発しており、足回りもダブルウィッシュボーンのようなレーシーな作りではない。自主規制280PSにも届いておらず、何よりフェアレディーZやスカイラインシリーズを持つ日産にとっては、そうした位置づけではありませんでしたが、安価でFRスポーツが手に入るのですからヒットするのもよくわかります。当時の女子受けした低い車体とスタイリッシュなクーペ。乗り心地の良いサスペンション設定、手を入れれば答えてくれる中期以降のSRエンジンも人気要素の大きな部分だったのでしょう。

今後はこんな成り立ちの180sxでの長期レポート、ツーリングや道具として、整備などの話しを記載して行こうかと思います。