春のバイクメンテナンス

冬前にメンテをしたのだから、春はそのままバイクに乗っても問題ないのでは?」と思う方もいるだろう。
バイクはわずかな期間動かさないだけでも、動いていたときには予想もできなかったトラブルが発生することもある。
最低限のチェック項目は洗車、タイヤ、バッテリー、エンジンオイルだ。
まずは洗車だが、我々整備士からするとバイクの洗車もメンテナンスの一つと考えている。汚れを落とすのはもちろん、普段あまり見ないところを確認し、錆、ゴム類の劣化などを見つけることができる。
次にタイヤ。タイヤのゴムは走ると熱を帯びて柔軟性を維持しており、乗らないと柔軟性が維持できずどんどん硬化が進んでしまう。長く使っているタイヤはその傾向が強く、1シーズン乗らないだけでヒビ割れが発生することも。また、空気圧も規定値に合わせることも重要。
バッテリーだが、バイクに接続していると常に放電を続けており、充電しないと性能が維持できずいわゆるバッテリーあがりの状態になってしまう。またバッテリーは寒さに弱い特性があり、1シーズンも充電されないと古いバッテリーはセルすら回らないなんてこともおおいにありうる。前回交換時期を把握しておくことも大事だ。
エンジンオイルは大気に触れると自然と酸化して性能が落ち、真空ではないエンジン内部でも同じなので、乗り始める際にはまず交換がマスト。古いほど劣化は進行しやすいので、昨年秋までに交換していないなら走行距離に関わらず交換することでメンテナンス時期の把握もできる。

暖かくなると早く走り出したい気持ちになるが、安全かつ快適に走り出すために一手間かける。それはバイクにとっても乗り手にとっても良いことである。

Author: 工場長(和田悠輝)