Nissan 180SX 長期レポート #4

50代からのFRの勧め。
愛車はNissan 180SX。
1998年の後期型でありSR20DETを積み、205psと28kgfのパワーで1220kgの車体を操る。駆動方式は古典的なFRだ。そんな性格を持つこの車は当時の、そう昭和後期から平成中期の若者から愛されていた。縁があって40代後半から乗り始め、途中、ガレージに1年半放置してしまったが、去年あたりから不満点を解消しながら乗っている。もう大人になったのだし、ダッシュボードに鎮座した3連メーターを取払い、エンジンルーム内の様々な物をノーマルに戻し、レポートを重ねて来たが、今回は最大の不満点であった乗り心地の改善を行ってみた。

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D-Max

購入当初はこのD-Maxのサスを取り付けたが、バネレートがフロント9kgf、リア7kgf。ノーマルサスがだいたい、2kgf前後なのでどれだけ激しく硬いかが理解出来るだろう。ダンパーを最弱にしたところで街乗りには辛い物がある。初老の腰にだってよろしくはないだろうが、だいたい他社の販売されているサスも似たような硬い物が多い。だからそそ今回は純正プラスアルファ程度の硬さを導入したかった。

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Nismo s-tune

このサスのバネはフロント5.3kgfリア3.8kgfと、純正より硬くサードパーティの物よりは柔らかい仕様となっている。このあたりがオトナの分別というものかな?と、身勝手に満足感を得ている。デートカーとして成り立ったノーマルの柔らかな足も良いが、スポーツ走行にもある程度応えてくれるコンセプトでこの古い車を作っている。ドリフトを華麗に決めやすい足なら10kgfあったって良いが、ノーマルとスポーツの間を取るというなら絶妙な設定として受け入れられる人も多いだろう。

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タイヤとフロントフェンダーとのクリアランスも55扁平のタイヤを履かせてこの通りだ。近代では55タイヤなどロープロファイルと思う人は少ないだろう。1970年代前半までは82が多く、70年代はまさにナナマルタイヤがロープロファイルだった。フェラーリやポルシェも60が普通だった時代だ。80年代から海外からの外圧で1983年にロクマルが解禁!あの低扁平の60タイヤが国内で採用されはじめた。そして80年代後半にはこのタイヤサイズの55、ゴーゴータイヤがスポーツカーのトレンドになり、当時はうっすいロープロファイルの格好良さの象徴が55タイヤだったのです。

当然、180sxの発売当初のノーマルは時代のスポーティー、トレンドの中心、ロクマルだったのですが今となっては55でもロープロファイルとは言えない時代だったりしますよね。

今の車はボディ剛性も高く、基本設計がしっかりしており45あたりを装着しても不快に感じない人も多いでしょうが、180sxは昔の車。そのまま近代基準の低扁平タイヤを履かせてしまい、車高調で下げ、バネレートを高い物にしすぎると、ホイールハウスが割れたり、ボディが持たなかったりします。何より突き上げを含めて乗り心地が悪化します。扁平率は空気のクッション効果とイコールですからノーマルのバネレート、ノーマルのタイヤプロファイル60と比較してしまうとどうなるか?がご理解いただけるでしょう。

快適性と車体設計の古さ、スポーツ走行と見た目のバランスをよく考えれば55あたりがベストだと私は思います。もちろん、快適性を捨てる、レースで勝ちたいと願う人には当てはまりません。

そろそろ貴重な車になりつつある180sxです。

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愛車を美しく保ち、快適にバランス良くカスタムを行い、優しく付き合ってあげても良い車種になっていると思う人が出てきても良いと考えます。

#180sx  #日産 #カスタム